認知症は人によって症状が異なるので、看護の際は専門的な知識が不可欠です。認知症看護については認定看護師の一種である、認知症認定看護師が最適な人材とされています。認知症に関する知識が豊富で多くの経験を積んでいることから、認知症患者に対する最適な看護を実施、指導できるのが特徴です。しかし、認定看護師は看護のエリート職であり、資格を取得するのは非常に困難とされています。看護師全体の数から見ても認定看護師は少数であり、さらにその中で認知症に精通している認定看護師はごくわずかです。高齢化社会である現代では認知症認定看護師は重要な人材とされていますが、資格取得の難しさから医療現場をカバーできるほどの人数には達していない問題があります。
認知症看護の専門職としては認知症ケア専門士も挙げられます。認知症認定看護師と同様に、認知症患者に対して適切な看護を実施できるのが特徴です。医療系の資格では無いので看護師の経験が無くても資格を取得することができます。また、認知症認定看護師よりも資格取得の難易度は低いので、医療関係者以外で認知症看護の詳しい知識を持ちたい人はこの資格を取得するのが最善の選択になります。その一方で看護は患者の苦痛を和らげ、健やかに暮らせるようにサポートする目的で行うものです。資格取得は認知症看護の知識に精通していることの証明になりますが、患者に対して労わりの心を持って接するのとは別物であることを注意しなければいけません。資格以外の面でも、認知症看護としての役割を果たすことが大切です。